G-YZ1JKCMTN4 血のつながりを意識してしまうとき ― 継親としての悩みと気づき - 気持ちがラクになる50代ライフ

血のつながりを意識してしまうとき ― 継親としての悩みと気づき

なお

最初にお伝えしておきますが、これはリアルタイムの記事ではなく、数年前の私の体験談です。
今の状況とは異なる部分もありますが、同じように悩む方にとって少しでも参考になれば幸いです。


理解できない、わかり合えない ― そんな瞬間

私は子どもの行動や考え方が理解できないと感じることがよくありました。
それ自体はきっと、どんな親でも一度は経験することではないでしょうか。

しかし、私の場合はそこに「血のつながりがない」という事実を強く意識してしまうのです。
「血がつながっていないから理解できないのか?」
「もし自分の子だったらもっと似ていたのではないか?」
そんな思いが頭を離れず、心を重くしていました。

例えば食べ物の好み。
私は和菓子のあんこが大好きですが、息子は苦手。
逆に息子は黄な粉が大好きで、妻も同じ。でも私は黄な粉が得意ではない…。

そのような些細な違いも、心が弱っているときには「自分だけが仲間外れだ」と感じるきっかけになりました。
普段なら笑って済ませられるのに、疲れていたりイライラしているときほど深く刺さってしまう。
「やっぱり血がつながっていないからなのか」と、必要以上に意味づけしてしまっていたのです。


孤独感を強めていたのは「沈黙」

今振り返ると、一番良くなかったのは 妻に相談しなかったこと です。

「血がつながっていないから理解できない」なんて言葉を妻に言ってしまったら、
家庭の雰囲気を壊すのではないか。取り返しのつかない溝ができるのではないか。

そう思い込んで、私はずっと口を閉ざしていました。
でも実際は、その「沈黙」こそが自分を追い込んでいたのです。

妻は、私と子どもに血のつながりがないことを十分理解したうえで結婚しているはずです。
父親として不器用ながら歩もうとしている私の姿を、一番近くで見てきてくれています。
それなのに「禁句だ」と思い込んでしまい、相談しなかった。
これこそが、私を余計に孤独にしていた原因でした。


相談する勇気がもたらすもの

人は誰しも、同じ出来事でも感じ方が違います。
私にとっては大問題でも、妻にとっては「大したことではない」場合もある。逆もまた然りです。

だからこそ、悩みは伝えなければ分かり合えない のです。

私は「話したら壊れる」と思っていました。
でも実際は、話さなければ壊れていくのは自分自身の心でした。

大切なのは「自分が真剣に悩んでいることに対して、妻も真剣に聞いてくれる」と信じること。
共感や同意を得ることがゴールではありません。
まずは「自分の真剣さを理解してもらうこと」こそが、相談の第一歩なのです。


アドラー心理学からの学び

私は後になってアドラー心理学の 『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』 を読みました。
「もっと早く知っていれば、妻に相談できたのに」と思う内容ばかりでした。

結果的に、私はある日とうとう我慢できず、心の奥に封じ込めていた言葉を口にしてしまったのです。
「血がつながっていないから、理解できないんだ」

言ってしまった瞬間は大きな後悔がありました。
しかし、不思議なことに、その一言をきっかけに妻と深く話し合うことができたのです。


妻の答えと、心が軽くなった瞬間

妻は私の話を真剣に聞いてくれました。
「そんなふうに思っていたんだね。もっと早く言ってくれればよかったのに」

その言葉に救われました。
別に問題がすべて解決したわけではありません。
息子のことが突然理解できるようになったわけでも、血のつながりが生まれるわけでもありません。

でも「妻が自分の悩みを一緒に考えてくれる」と感じられただけで、驚くほど心が軽くなったのです。

それ以来、私はため込みすぎないように注意するようになりました。
深刻なことだけでなく、ちょっとした違和感も素直に伝えるようになったのです。


夫婦で支え合うということ

気づいたのは、相談することは「弱さを見せること」ではなく「信じること」だということです。
そして、妻の話にも同じように耳を傾けること。

夫婦はお互いに支え合って生きています。
私が弱いときには妻が支えてくれ、妻が悩んでいるときには私が支える。
その繰り返しが家族をつくっていくのだと思います。


他の継親に伝えたいこと

ステップファミリーには独特の悩みがあります。
血のつながりがないからこそ感じる疎外感、距離感、迷い…。

でも、その悩みを「話していい」と思えるかどうかで、心の重さは大きく変わります。
勇気を出してパートナーに打ち明けてみる。
それだけで、孤独感はぐっと軽くなるかもしれません。


まとめ

血のつながりがないからこそ感じる苦しみは、確かにあります。
でも、それを一人で抱え込むのはもっとつらいこと。

「悩みを話すことで心が軽くなる」
この体験を通して、私は家族として新しい一歩を踏み出せたと思います。

もし今、同じように悩んでいる方がいたら――
どうか勇気を出して、大切な人に気持ちを伝えてみてください。
その一歩が、あなたの心を守る大きな力になるはずです。

📚 おすすめ書籍リンク

嫌われる勇気

幸せになる勇気

ABOUT ME
なお@心を軽くする50代
なお@心を軽くする50代
私は現在50代。これまでの人生で、仕事・家庭・健康・お金など、さまざまな悩みやストレスに直面してきました。 特に家庭では、ステップファミリー(継親) として生活しています。 血のつながりだけではない家族の形は、喜びがある一方で、葛藤や難しさも多く経験しました。 職場では上司と部下の板挟みに悩み、居場所がないと感じたこともあります。 家庭では夫婦のすれ違いや親の介護、そして継親としての立場に葛藤しました。 健康診断の結果に落ち込み、老後のお金の不安で眠れない夜もありました。 そんなときに助けになったのが、心理学や思考法でした。 専門家ではありませんが、「考え方を少し変えるだけで、心がラクになる」ということを、実体験を通じて感じています。
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