家事分担共働きステップファミリーの家事分担 ― 妻にはイライラしないのに子供にだけ腹が立つ理由

はじめに
私は共働き家庭で暮らすステップファミリーの一員です。
夫婦で協力しながら家事を分担し、日々を回していますが、その過程には少なくない葛藤がありました。
特に大きな悩みは、妻にはイライラしないのに、子供には強く腹が立ってしまう ということです。
同じ“食器洗い”や“洗濯物”でも、妻と子供では自分の感情の反応がまったく違うのです。
これは単なる性格の問題ではなく、共働きの家事分担という現実と、継親という立場ならではの葛藤が重なった結果だと思います。
この記事では、我が家の家事サイクルを振り返りながら、この複雑な気持ちについて整理してみます。
我が家の平日の家事サイクル
共働きなので、家事分担は必須です。
平日の我が家の流れを整理すると、だいたいこんな形になります。
朝の流れ
- 朝6時に起床
- 私:朝食の準備(妻が週末に作り置きしてくれたおかずを並べ、お茶を入れる)
- 妻:お弁当の準備
- 就寝前に仕込んだ洗濯機を、朝私が干す
- 朝食を食べて、それぞれ出勤・通学
この時点で朝からけっこう慌ただしく、出勤前の1時間はほぼ「家事と身支度」で埋まります。
食器のルールと現実
朝食の食器は「自分で洗う」ルールです。
しかし、かなりの確率で守られません。
夜帰宅すると、朝の食器がそのまま流しに置いてあることがほとんどです。
「朝は時間がないから仕方ないのかもしれない」と理解しようとしますが、夜に帰ってきてもそのまま放置されているのを見ると、どうしても腹が立ってしまいます。
夜の流れ
私の帰宅は遅く、妻と子供は先に夕食を済ませています。
その後、夕飯の後片づけは私の担当です。
食器を洗い、テーブルを片づけ、キッチンを整える。
一日の疲れがたまっている時間帯にこの作業をするのは正直大変ですが、「これをやらなければ次の日が回らない」と思いながらこなしています。
洗濯物
夜は洗濯物を畳むのも私の役割です。
取り込みは子供に頼んでいますが、実際には「ピンチハンガーに付けたまま籠の上に置いておく」程度です。
結局、ピンチハンガーから外し、服を畳むのは私。
「やるなら最後までやってほしい」と思うのですが、現実にはそこまで進まず、中途半端で終わることが多いのです。
妻に対してはイライラしない理由
不思議なことに、同じ家事でも妻に対してはほとんどイライラしません。
むしろ感謝の気持ちが強いです。
その理由は、妻が週末に大量の作り置きをしてくれることにあります。
平日の私の朝食準備は「妻が作ってくれたおかずを並べるだけ」。
妻の存在があるから、私は毎朝スムーズに出勤できるのです。
だからこそ、妻の分の食器を洗うときには「ありがとう」という気持ちが先に立ち、イライラはほとんどありません。
子供にだけイライラしてしまう理由
一方で、子供に対しては感情が違います。
- 朝の食器を放置
- 洗濯物を“取り込んだだけ”で終わらせる
- 自分のことすらやらないのに、家のことも手伝わない
同じように「食器を洗う」という場面でも、妻なら気にならないのに、子供がやらないと強く腹が立ちます。
ここにはいくつかの心理的な要素が絡んでいます。
親としての責任感
「親として、ちゃんと教えなければ」という思いが強い。
だからこそ、些細なことも見逃せず、必要以上にイライラしてしまう。
血のつながりを意識してしまう
「自分の子ならこうはならないのでは?」という思いが心の奥にある。
その意識が、余計に感情を増幅させてしまう。
期待と現実のギャップ
「やってくれるはずだ」という期待があるのに、それが裏切られる。
妻には「感謝」が先にあるのに、子供には「期待と不満」が入り混じり、結果として怒りに変わる。
子供に家事をさせることへの違和感
ただ、ここで矛盾する気持ちもあります。
本当に子供にそこまで家事をやらせる必要があるのか?という違和感です。
- 共働きで時間が足りないから子供にも手伝ってほしい → これは現実的な願い
- でも、自分も子供の頃はほとんど家事を手伝っていなかった → だから強く求めるのはおかしいのでは?
この「やらせたい」「でも求めすぎているのでは」という矛盾が、心の中で常にせめぎ合っています。
イライラを和らげる工夫
このままでは疲れてしまうので、私なりにいくつか工夫を試してきました。
1. 感謝を伝える
「完璧じゃなくてもやってくれてありがとう」と言葉にする。
すると、相手に任せやすくなるし、自分の心も軽くなります。
2. 完璧を求めない
「取り込むだけでも助かる」と割り切る。
100%を期待するとイライラが募るので、50%でもやってくれれば十分と考える。
3. 妻に相談する
「今日は洗濯物ありがとうって言ってあげて」など、妻を通して声をかけてもらう。
自分だけが注意するよりも、子供に伝わりやすいことがあります。
気づいたこと
長年悩んできて分かったのは、イライラするのは愛情不足ではないということです。
- 妻には「感謝」があるからイライラしない
- 子供には「期待と不満」が混じるからイライラする
つまり、イライラは「どうでもいい」からではなく、**「関わろうとしている証拠」**だったのです。
まとめ
共働き家庭にとって家事分担は生活の土台です。
夫婦間は自然に役割分担ができても、子供との家事分担にはどうしても温度差や葛藤が生まれます。
「妻には腹が立たないのに、子供にだけイライラする」
この感情は長年の悩みでしたが、今ではそれもまた「関わりたい」という思いの裏返しなのだと受け止めています。
同じように悩んでいる方へ。
完璧な家事分担や理想の親子関係を目指さなくても大丈夫です。
「できる範囲を分け合って、一緒に暮らし続けること」こそが、すでに家族の形になっているのだと思います。





