妻なら気にならないのに、子供だと腹が立つーステップファミリーとしての本音と気づき

妻なら気にならないのに、子供だと腹が立つという感情
私はステップファミリーとして、妻の連れ子と暮らしてきました。
出会ったのは子供が5歳のときで、それから約12年、一緒に生活をしてきました。
日常の中で、どうしても自分の中で整理できない感情がありました。
それは「妻がやると気にならないのに、子供がやると強く腹が立つ」ということです。
些細な行動にイライラする
例えば──
- 電気を消し忘れる
- 片づけをしない
- 返事をしない
妻が同じことをしても「まあいいか」と流せるのに、子供がするとどうしても腹立たしく感じてしまうのです。
理屈で考えれば同じ行動なのに、感情の反応はまったく違いました。
ステップファミリー特有の距離感
今振り返ると、これはステップファミリー特有の距離感から生まれる感情だったと思います。
実子なら受け入れられる違いも強調される
実子であれば「親子だから違って当たり前」と受け止められたかもしれません。
しかし、連れ子の場合は「自分とは違う存在」という意識が強調され、価値観や習慣のズレが余計に気になりました。
責任感と不安が重なっていた
- 親として接さなければいけない責任感
- 受け入れてもらえていないのではという不安
この2つが重なり、些細な行動を「直さなければ」と過剰に意識してしまい、結果として妻には許せることでも子供には腹が立つ、という現象が起きていたのだと思います。
「もっと会話すればよかった」と思う今
イライラをぶつけたくない気持ちから、会話を減らした時期がありました。
「話すとつい怒ってしまうなら、最初から話さないほうがいい」と思ったのです。
衝突を避けた代償
確かに大きなケンカは避けられました。
しかし今になって思うのは、「もっと会話をしておけばよかった」という後悔です。
会話を避けた時間は、私にとって「歩み寄れなかったしこり」となり、長年心に残っています。
子供にとっても「距離を感じる時間」になっていたかもしれません。
完璧な親子関係は存在しない
子供が20歳になり、成人という大きな節目を迎えた今、ようやく気づいたことがあります。
イライラ=愛情不足ではない
イライラしたのは「どうでもいい」からではなく、「きちんとしてほしい」という願いがあったからです。
無関心であれば、イライラすることすらなかったはずです。
努力は無駄ではなかった
片づけや生活習慣は変わらないように見えても、家庭という安心できる場を維持してきたことは、確実に意味があったと思います。
親子関係に正解はない
実の親子であっても「厳しすぎた」「もっと話せばよかった」と後悔するもの。
ステップファミリーなら、なおさら葛藤があって自然です。
「しつけ」から「大人同士の関係」へ
これからは「子育て」から「大人同士の関係」に変えていく時期だと感じています。
雑談を少しずつ増やす
「おつかれ」「寒いね」など一言でいい。盛り上がらなくても、声をかけ合うだけで安心感は生まれます。
感謝を言葉にする
「ありがとう」「助かるよ」と小さなことでも伝える。
感謝の言葉は関係を温める一番シンプルで効果的な方法です。
過去より未来に目を向ける
「あのときもっと会話しておけば」ではなく「これから少しずつ話していこう」。
後悔ではなく未来志向で関わることが、心を軽くします。
同じように悩むステップファミリーの方へ伝えたいこと
もしあなたも「妻なら気にならないのに、子供だと腹が立つ」と悩んでいるなら、私から伝えたいことがあります。
- その感情は愛情不足の証ではありません。むしろ「真剣に向き合ってきた証」です。
- イライラや後悔は誰にでもあります。それを抱えながら暮らし続けてきた事実こそ大切です。
- 親子関係は成人してからでも更新できます。
私もまだ模索中ですが、20歳という節目を迎え、ようやく「これから新しい関係を築けばいい」と思えるようになりました。
完璧でなくても、一緒に暮らしてきた年月こそが絆になります。





