ステップファミリーとして生きる ― 継親としての私の体験

私は「ステップファミリー」の一員です。
ステップファミリーとは、夫婦のどちらか、または両方が前の結婚で子どもを持ち、その子どもと新しい家庭を築く形のこと。
血のつながりがない親子関係を含むため、一般的な家庭とは少し違った喜びや、特有の悩みがあります。
私の場合、私は初婚で、妻は再婚。息子は妻の連れ子でした。初めて出会ったとき、息子はまだ4歳か5歳、小学校入学前の年齢でした。
出会いと最初の思い出
息子の小学校入学祝いに、私は「名前入りの鉛筆」をプレゼントしました。
妻は「わざわざ名前まで入れてくれて…ありがとう」と喜んでくれましたが、肝心の息子は少し不満顔(笑)。
子どもにとっては、もっと“ワクワクするもの”を期待していたのかもしれません。
それでも当時、私はまだ恋人として妻と付き合っていた頃でしたが、息子は懐いてくれて、週末は3人でよく出かけました。
その時間は、まるで小さな家族のようで楽しく、私にとってもかけがえのない思い出です。
籍を入れるまでの道のり
その後、数年を経て結婚しましたが、籍を入れたのは息子が中学に進学するときでした。
理由は2つあります。
ひとつは「学区の問題」。小学校の途中で転校させたくなかったため、同じ学区内で住まいを探したのですが、なかなか条件に合う部屋が見つからず、結局は週末婚のような形で2年ほど過ごしました。
もうひとつは「苗字の問題」。中学進学と同時に名字が変わった方が自然に馴染めると考えたのです。小学校の友達には“変わった”ことが分かりますが、中学からの友達には“最初からの名字”として受け止めてもらえる。この小さな工夫で、息子の心理的負担が少しでも軽くなればと思いました。
悩みと葛藤
こうして形式的にも「家族」になり、年月を積み重ねてきました。
息子はいま大学生。あの小さかった子がもうすぐ成人を迎えます。
一見すると順調に思えるかもしれませんが、実際にはさまざまな葛藤がありました。
妻と息子は(妻の自己申告ですが)発達障害のグレーゾーンかもしれないと言われており、忘れ物が多い・勘違いが多いといった小さなことが日常的にありました。
そうした積み重ねが私には大きなストレスとなり、ときに強いイライラに変わることもありました。
さらに、その背景に「血のつながりがない」という事実を意識してしまうと、悩みはより深くなります。
一緒に暮らし始めて半年ほどの頃には、ストレスから肌荒れがひどくなり、通院するほど追い込まれたこともありました。
それでも続けてこられた理由
では、なぜ大きな衝突や破綻なくここまで来られたのか。
その理由を振り返ると、私の中に「家族の形はひとつではない」という思いがあったからだと思います。
血がつながっていても問題を抱える家庭はあります。
逆に、血のつながりがなくても温かい関係を築く家庭もある。
私たちはその中間を歩んでいるだけで、「普通」と比べる必要はない。
そう思えたとき、背負っていた重荷が少しずつ軽くなっていきました。

最後に ― 継親として伝えたいこと
ステップファミリーとして過ごした年月は、決して楽なものではありませんでした。
けれど、その中で学んだのは「悩むのは自然なこと」だということです。
もし今、同じように継親として悩んでいる方がこの記事を読んでくださっているなら、
「自分だけじゃない」と少しでも安心していただければ幸いです。
このブログでは、私自身の体験談や、心を軽くするための工夫を、今後も少しずつ書いていこうと思います。





